脂肪吸引のリスクと問題点

脂肪吸引

脂肪吸引のリスク

実は恐ろしい脂肪吸引!?

– 安全な脂肪吸引のために –

脅すわけではありませんが、脂肪吸引にはさまざまなリスクや問題点が潜んでいます。大切なのはリスクを知ること。リスクを正しく知ることで脂肪吸引を怖さを感じ、医師選びに慎重になることを願っています。

一時的な副作用

脂肪吸引の術後に起こる問題、副作用ですが、比較的軽い、時間の経過で必ず消える問題です。完全に消失するには個人差はありますが、数日程度と考えて良いでしょう。

内出血

脂肪層には細かな血管が豊富にあります。吸引管によって傷つくことは仕方のないことですし、防ぐことは不可能です。内出血はほぼ全ての脂肪吸引で起こると考えて良いでしょう。クリニックのホームページによっては、特殊な方法で内出血を起こさない、ベイザーなどの使用で内出血がほとんど起こさないという表記をしているとこともあるようですが、脂肪吸引はブラインド手術です。血管が見えない状態で治療しますので防ぐことは不可能です。
無責任な表現を用いる美容外科というのは、治療に対し無責任な対応をとる可能性が極めて高いと考えて良いだろう。

腫れ

脂肪吸引の術後の腫れはほぼすべての方に生じる副作用です。腫れない脂肪吸引は存在しません。また、腫れの程度や期間というのは脂肪吸引の範囲、取り除いた脂肪の量に比例すると考えて良いでしょう。

痛み

術後の痛みですが、持続的な痛みというのはありません。体を動かしたりする際に痛みを感じることはありますが、激痛となるような激しい痛みということではありません。クリニックで処方されるお薬で十分コントロールすることが可能です。
最近では麻酔薬の作用が数日持続するものや、痛みを取り除く医療用の麻薬のシールの取り扱いもあります。これらの併用で痛みについてはさらに効果的に抑制することができます。

これら一時的な副作用はすべて数日〜10日程度で消失します。長期化したり、症状が固定してしまう心配は不要です。お仕事や学校、人と会う予定などを調整すれば気になるようなことではないでしょう。

見た目の問題・トラブル

脂肪吸引の術後トラブルは決して少なくありません。あまり表には出てこないトラブルですが、現実には下記のようなトラブルで悩んでいる方も少なくありません。

表面の凹凸

雑な脂肪吸引で部分的な吸引ムラや、過剰な吸引によって局所的に凹みを作ってしまうトラブルです。また、浅い層の皮下脂肪を吸い取ってしまったことでも表面の凹凸は醜くなります。基本的に修正手術しか方法はありませんが、簡単な修正ではありません。

修正の方法

  • 再吸引凹凸部分をならすように再度脂肪吸引で修正する。
  • 脂肪注入凹みの部分に脂肪を移植することで膨らまして修正する。
  • 脂肪溶解注射凹凸部分に脂肪溶解注射を打ってなだらかにする。
  • エンダモロジー体表面から強い刺激を加えてなだらかに整える。

仕上がりが不自然

吸引場所が適切でなく、全体のバランスが崩れてしまった場合に引き起こしやすいトラブルです。また、皮膚が薄く表層の皮下脂肪を吸い取ってしまった場合に筋肉が表面に浮き出てしまい不自然な見た目になってしまうことも少なくありません。脂肪吸引には取るべき脂肪、取ってはいけない脂肪があることを理解しておきましょう。クリニックによっては9割の脂肪を取るなどとんでもない言い回しをしているところもありますが、理論上は脂肪を取ることはできても取ってはいけない脂肪の層があるということは皆さんは知っておくべきです。

重篤な副作用・リスク

脂肪吸引には重篤な副作用、リスクが存在します。過剰な心配は不要ですが、下記に紹介するリスクがあることだけは知っておきましょう。リスクというのは予防や対処が可能です。そのため過剰な心配は必要ありません。しかし、それらはすべて医師の経験や技術で格段に違ってきます。脂肪吸引においては医師選びは何よりも慎重になることをお勧めします。

出血

脂肪組織には豊富な血管があります。脂肪吸引は血管を避けながら治療することは絶対にできません。正しく言うならば血管を傷つけながら治療するのと同じこと。大切なのは血管へのダメージを最小限に抑えること、チューメセント液などに止血剤など混合し、出血を抑えるように対処する、予防することが重要です。
また、あらかじめ出血が予想されるケースなどは自己血を採取し、脂肪吸引の際に輸血しながら治療すると言うこともリスク回避の一つです。このような対処法についてはほとんどの美容外科で説明することはありませんが、健康で美しくなるためには必要なことですし、決して恐ろしいことではありません。

麻酔事故

脂肪吸引のトラブルで重篤な影響、問題となるのが麻酔によるトラブルです。キシロカイン中毒など薬剤に対し強いアレルギー反応を引き起こすことによって最悪の場合、死亡する可能性は否定できません。脂肪吸引の場合、他の手術に比べると使用する局所麻酔薬の量が多いのでそのリスクは格段に高くなります。
しかし、その頻度は稀であると言うこと。医師、その他のスタッフが救急医療を含めた対処が適切にできる。医療設備(蘇生器具、救急薬品など)が整っていれば心配はないのですが、残念ながら医療設備、医師の経験ともに乏しい美容クリニックが多いのが実情です。

脂肪塞栓

脂肪塞栓がどうして引き起こされるか、その原因と言うのは明確ではありませんが、1回の脂肪吸引で3,000ml以上に及ぶ大量の脂肪を吸引してしまうとそのリスクは格段に高くなると言われています。ですので大量の脂肪吸引を実施する場合は入院など術後管理が整っている環境下が推奨されるでしょう。

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