中国での死亡事故について

“脂肪吸引+豊胸”1日3回の整形手術…中国インフルエンサー、多臓器不全で死去=韓国報道

中国のインフルエンサーの女性が1日に3回の整形手術を受け死亡するという事故が発生した。韓国でも報じられている。
17日(現地時間)、現地メディアによると、中国版Twitter「Weibo(新浪微博/ウェイボー)」で13万人以上のフォロワーを保有するSNSスターが整形手術後に臓器不全で死去した。
彼女はことし5月、腹部と腰の脂肪吸引および豊胸手術の3か所、5時間以上かかる手術を受けた。その2日後に痛みと呼吸困難を訴え救急搬送されたが、意識が戻らないまま、約2ヶ月後の7月13日、多臓器不全で亡くなられた。
彼女の整形手術を担当した病院側は責任を認め、病院には閉鎖命令が下された。
彼女の家族は該当病院に92万元(約1600万円)の賠償請求をおこなったことが伝えられた。

上記のような報道がありました。

1日に3回の手術を受けたというのはおそらく訳の間違い、表現手法の誤りでしょうね。
通常の解釈で考えれば、2箇所の脂肪吸引、そうして採取した脂肪を胸に注入したというのが実際の整形手術と考える方が自然です。
でもこういった治療法は特別なことではありません。日本国内でも標準的に行われる脂肪注入の一つです。
明確な医療ミスの内容が明らかにはなっていませんから判断のしようがありませんし、医療機関が過失を認めたということですから正常な経過ではないということです。脂肪注入という治療方法に問題があったということではありませんね。
美容外科でのトラブルというのはあってはならないことですし、非常に残念な事故であることに違いはありません。

脂肪注入の事故で想定されるトラブルというのは、
・麻酔事故
・肺梗塞(脂肪塞栓)
・吸引管による臓器の損傷
・その他 など

一般的に医療機関がミス、過失を認めるケースとしては、麻酔事故や臓器の損傷です。特に腹部、お腹の脂肪吸引などはそのリスクを伴います。
これらの事故というのは中国だから起こったトラブルではありません。日本国内であっても韓国であっても一般的に起こりうるトラブルであることを知っておくべきです。
実際に国内でも数例ですが、臓器損傷の事故によって死亡した例や脂肪塞栓によって亡くなられた事例はあります。
大切なのはそのリスクを限りなく少なくすること、ゼロに近づけることが必要であることを知っておきましょう。
本来であれば医師、医療機関がそのような取り組みを行うことが当然なのですが、美容医療の場合、臨床経験のほとんどない医師(この場合、研修医が終わってすぐの医師という意味)がクリニックで技術ではなく経営手法、広告手法だけをしっかりと学び、少しの手術を経験して数年で独立している開業医も少なくありません。
まともな臨床経験のない医師は、絶対数としての経験が未熟ですので、何か問題を引き起こしてしまうと必ずトラブルを引き起こします。
ですので美容外科で治療を受けようと考えている人は医師の経験、どこで研修を積んできたのかなどをしっかりと確認することが大切です。