治療の実際
OPERATION
トータルリフトの治療方法について詳しく説明しましょう。
トータルリフトの手術は簡単に説明すると6つの工程で行います。
局所麻酔→皮膚切開→剥離→S-MAS処理→皮膚の引き上げ→傷の縫合
まず始めに麻酔です。トータルリフトの標準的な麻酔方法は通常、全身麻酔です。その理由は医師の考えにもよりますが、手術時間が長いということ、麻酔の範囲が広いため激しい苦痛を伴うからです。
全身麻酔後に切開・剥離する範囲に局所麻酔の注射をうちます。全身麻酔下でも局所麻酔の注射をうつのは痛みの刺激を最小限に抑えること。もう一つは止血効果を期待することなどです。クリニックによっては麻酔薬ではなく、止血剤だけを注射するところもあるようです。
麻酔が十分効いたら次は皮膚を切開します。トータルリフトの場合、先に前額、次にフェイスリフト+ネックリフトと言った流れで行っていきます。皮膚切開は前額は頭髪内に冠状切開を加え、次のフェイスリフトでは、耳の前側〜耳たぶの根本部分〜耳の裏側にかけて皮膚を切開します。
切開が終わったら次は皮膚を剥がしていきます。剥離という技術ですが、トータルリフトはこの剥離が非常に大切です。筋膜上を剥がすのですが、剥がす皮膚の層にムラがあると段差を生じたり、固定の際にしっかりと固定できなかったり、取れてしまうなどのトラブルを引き起こします。
皮膚をしっかりと丁寧に剥がしたら次は筋肉・筋膜の処理です。顔のたるみというのは皮膚だけではありません。筋肉・筋膜も同時に弛んでしまっています。剥離したことによって、皮膚と筋肉は別々に剥がれていますので筋肉・筋膜(S-MAS)の処理をしていきます。
S-MAS処理は、S字型、L字型、紡錘状切開など、状態に応じて筋肉・筋膜(S-MAS)に直接切開を加えて弛みを取り除き、筋肉・筋膜を縫い縮めて短縮させます。S-MASが処理するだけで弛みは劇的に改善します。
そうして筋肉・筋膜が引き上がった状態で、さらに皮膚を引き伸ばして、筋肉・筋膜が引き上がった状態の位置で固定糸、弛んでしまった余分な皮膚を切除して取り除きます。
最後に縫い合わせてトータルリフトを終了します。
トータルリフトは、顔全体の治療ですので非常に長時間に及ぶ手術となります。
切開、剥離範囲が他のフェイスリフトに比べ大きいため術後の腫れは覚悟が必要です。
トータルリフトの麻酔
トータルリフトの標準的な麻酔は全身麻酔です。
点滴・注射を使って確実に眠った状態で麻酔の注射を打ち、手術が始まります。全身麻酔の場合、手術中の痛みを覚えていることはありません。
麻酔が始まるまでは覚えていますが、次に目が覚めたときは手術が終わっている状態です。
手術のポイント
チェックポイントは2つ。
一つはデザインの描き方。耳の形状は直線的ではありません。一般的には耳の形に合わせてデザインを描きますが、中には直線的に切開する美容外科もあります。もちろん、そういった手法が悪いわけではありませんが、傷跡としては不自然ですので好まれませんよね。
もう一つは引き上げる方法。トータルリフトは切開する範囲が大きいため、筋肉・筋膜の短縮して引き上げる方向は他のフェイスリフトに比べ自由がある分、医者の技術とセンスが要求されます。引き上げる方向や、短縮する量で仕上がりの満足度であったり、不自然な状態になってしまうなどのトラブルを引き起こしやすいのがデメリットの一つ。
カウンセリングではビフォー・アフターの写真を確認し、不自然な仕上がり、違和感を感じた場合、その医師のフェイスリフトの癖、センスですので十分注意しましょう。
トータルリフトの費用
PRICE
トータルリフトの手術にかかる費用の相場についてご紹介します。
私たちが調査したところ、トータルリフトの手術にかかる費用の相場はおおよそ200〜300万円程度です。
こめかみリフトの費用の相場:200〜300万円程度
手術を受ける施設や治療内容によっては150万円以下で受けられるクリニックもあれば、500万円以上の費用がかかる手術もあり、トータルリフトの手術でかかる費用にはかなりのばらつきがあります。
費用が安く設定されているトータルリフト手術はその理由が明確にはされていませんが、長時間に及ぶ時間のかかるトータルリフトが低価格で受けることができるというのは現実的には難しいでしょう。可能性として考えられるのは、低価格に見せかけて麻酔費用や個人差を指摘され高額提示をしてくるということが十分想定されますので注意が必要です。
トータルリフトは病気の治療ではありませんので公的な負担などはないです。経済的に大きな負担となりますが、手術を受けるクリニックによってはモニター制度などを設けているところもありますので、そのような制度を利用することで安価に、お得にトータルリフトを受けることができますので確認してみては。
これらの制度を活用すれば数十万円の割引が行われることも多いので、トータルリフトの手術を検討中の方は是非ご活用下さい。
治療のリスク・副作用
SIDE EFFECTS
トータルリフトは外科手術という性質上、術後の腫れや痛み、内出血などはほとんどの方に起こる問題です。特に顔面の外周全体に近い切開を行うトータルリフトはさらにその症状を強くしてしまいます。しかし、後々まで残ってしまう障害となるようなことではありません。
また、周辺の神経組織を傷つけてしまうことも否定はできません。術後に感覚が鈍くなったり、軽い麻痺(不全麻痺)も数%の確率で起こる可能性があります。そのような症状というのは、どんなに経験豊富な技術の高い医師が気をつけて行っても起きてしまうものです。
以下はトータルリフトの術後に想定される治療のリスク、副作用です。これだけの問題があるからといってトータルリフトが直ちに危険な手術ということではありません。なぜならそれらの症状は時間の経過とともに完全に回復します。
トータルリフト 術後のリスク
- 感染(化膿する)
- 糸の露出
- 血腫
- 皮膚の壊死
- しわが残る
- たるみが残る
- 左右差
- 引き上げすぎ
- 傷が赤く盛り上がる(ケロイド状)
- 傷口が目立つ
- 毛が抜けて部分ハゲになる
- 顔面神経麻痺(口の動きの麻痺)
- 頬のしびれ・知覚鈍麻
- 耳たぶが延びる・耳の変形
- 傷の段差・凹み
- 皮膚の表面の凹凸
最後に傷跡については医者の切開するデザインの技術も影響しますが、同じように個人差・体質も影響しやすいものです。傷は消えることはありませんが目立ちにくくすることはできます。大切なのはクリニック選び、医師選びです。経験豊富な安心の名医であれば安心して任せることができるということは忘れないで下さい。
クリニック選びのポイント
CLINIC CHOICE

トータルリフトの手術で満足できるかどうかは、手術を受ける美容クリニックの対応、医師の技術で決まります。やはり大切なのはクリニック選び。トータルリフトで失敗しないためのクリニック選びのポイントをご紹介します。
- 院内は清潔か?
- カウンセリングは医師が行うか?
- 複数のタイプのフェイスリフトを行っているか?
- S-MAS処理を行っているか?その方法も確認
- 手術料金は適正か?(目安としては200〜300万円)
- 術前検査をしっかりと行っているか?
- アフターケアの内容は充実しているか?
- 全身麻酔で手術を受けることができるか?
- 手術当日は入院することができるか?
上記のポイントは電話やカウンセリングで簡単に確認することができます。例えば、院内が清潔かどうかは手術室の管理に直結すると考えて良いだろう。院内の清潔が保たれないクリニックの手術室は衛生環境も疑わしいもの。ネックリフトは皮膚を広範囲に切開・剥離することから感染のリスクが高い治療の一つです。院内の清潔すら保てないクリニックは感染のリスクが高くなるものです。
また、入院の有無も確認しましょう。基本的には入院は不要ですが、トータルリフトの場合、手術時間が長くなるということ、術後の出血のリスクがあることから入院対応できる美容クリニックでのトータルリフトをお勧めします。
さまざまなご質問
Q&A
トータルリフトの手術に関するさまざまな疑問や質問にお答えします。
- 一度に顔全体のたるみを引き上げることを断られました。分けて手術することを勧められたんですが、トータルリフトは危険な手術ではないんですか?
- いいえ、トータルリフトは危険な手術ということではありません。断られたということですが、実は医師によって考え方はさまざま。フェイスリフトは短時間で終わる治療じゃありませんので医師の体力に自信がない場合などは分けて治療することを推奨するクリニックもあるようです。
分けて治療するメリットは、患者側からすると腫れが少し小さくなるというメリットだけです。フェイスリフトを行なっている多くの美容外科で普通に行われているものであり、決して危険な治療ということはありませんのでご安心ください。
- 普通のフェイスリフトに比べ腫れが長くなるのは本当ですか?
- そうですね。やはり一度に切開、剥離する範囲は広範囲に及びますので腫れの程度、腫れの期間ともに長くなるとお考えください。
しかし、それは考え方の問題です。トータルリフトで1回の強い腫れを出してしまうのか、フェイスリフトと前額リフトと言ったように2回に分けることで中等度の腫れを2回にとどめるかということ。しかし結局は中等度の腫れを2回引き起こしてしまいますから長期の休みを取れるのであれば一度に済ませてしまうことの方がメリットは大きいのではないでしょうか。