下眼瞼脱脂とは?施術の流れと効果・リスクの全知識

目の下の膨らみやたるみが気になって、老けた印象に見えてしまう――。そんな悩みを解消する方法として注目されているのが『下眼瞼脱脂』という治療です。これは目の下にある余分な眼窩脂肪を取り除く施術で、たるみやクマを軽減し、若々しくすっきりとした目元を目指すことができます。
ここでは、下眼瞼脱脂の基本から、施術の種類、得られる効果、ダウンタイム、リスクや注意点まで、これから検討したい方に向けてわかりやすく解説します。まずは“この治療がどんなものか”を正しく知ることから始めましょう。

下眼瞼脱脂とは

目の下にふくらみがあると、実年齢より老けて見られたり、疲れている印象を与えてしまうことがあります。その原因のひとつが「眼窩脂肪」と呼ばれる目の下の脂肪です。下眼瞼脱脂(かがんけんだっし)とは、この眼窩脂肪を取り除くことで目元のふくらみを解消し、すっきりとした若々しい印象に整える美容医療の施術です。
下眼瞼脱脂は、いわば“目の下の脂肪取り”の総称です。施術方法にはいくつかの種類があり、代表的なものに「表面を切開して行う方法」や、「瞼の裏側(結膜側)からアプローチする経結膜脱脂」があります。さらに、経結膜脱脂の中にも「プレセプタル法」というより自然な仕上がりを目指すアプローチも存在します。
加齢や遺伝により、比較的若い方でも目の下の膨らみが目立つことがあり、メイクで隠しきれない場合や、スキンケアでは改善が難しい場合に、根本的な解決策として選ばれることが増えています。

施術の主な方法と種類

施術の主な方法と種類|表面切開・経結膜脱脂・プレセプタル法とは?
下眼瞼脱脂は「目の下の脂肪を取る施術」の総称であり、そのアプローチ方法にはいくつかの種類があります。それぞれに特徴があり、患者さんの目元の状態や仕上がりの希望によって適した術式が異なります。ここでは、代表的な3つの方法をご紹介します。

● 表面切開による下眼瞼脱脂

この方法は、下まぶたのまつ毛のすぐ下を切開して脂肪を除去する術式です。膨らみの原因となる脂肪に直接アプローチできるため、しっかりとしたボリューム除去が可能です。また、皮膚のたるみが強い場合には、同時に余分な皮膚を切除することもできます。
一方で、皮膚を切開するため、術後はごく薄くではありますが傷跡が残る可能性があり、腫れや内出血もやや目立ちやすい傾向があります。

● 経結膜脱脂(けいけつまくだっし)

経結膜脱脂は、まぶたの裏側(結膜側)から脂肪を取り除く方法です。皮膚表面を切らないため、外見上の傷跡が残らず、術後の腫れも比較的少ないというメリットがあります。主に「皮膚のたるみは少なく、脂肪の膨らみが気になる」方に適しています。
ただし、皮膚自体を引き締める効果はないため、たるみが強い場合には適応外になることもあります。

● プレセプタル法

プレセプタル法は、経結膜脱脂の一種で、脂肪を単に取り除くだけでなく、位置や量を細かく調整することで、より自然な目元に仕上げることを目指した方法です。脂肪を減らしすぎて目の下がくぼんでしまうリスクを避けるために開発されたアプローチで、術後の不自然さを最小限に抑えることができます。
ただし、この方法は医師の繊細な技術が必要とされるため、経験豊富なクリニックを選ぶことが非常に重要です。

下眼瞼脱脂の効果と持続期間

下眼瞼脱脂によって得られる最大の効果は、「目の下のふくらみがなくなり、顔全体が若々しく見える」という点です。膨らみが解消されることで、疲れた印象や老けた印象が和らぎ、自然と表情全体が明るく見えるようになります。

この施術は、スキンケアやコンシーラーなどでは隠しきれなかった目元の悩みに対して、根本的なアプローチができる点が特徴です。とくに眼窩脂肪の量が多い方や、遺伝的に目の下が膨らみやすい方にとっては、大きな変化が期待できます。

また、効果の「持続性」も下眼瞼脱脂の大きな魅力の一つです。一度除去した脂肪は基本的に再び増えることはないため、効果は半永久的とされています。ただし、加齢による皮膚のたるみや眼輪筋のゆるみなど、他の要因によって目元の印象が再び変化することはあり得ます。

そのため、術後の仕上がりを長く保つためには、日常的なスキンケアや、場合によっては将来的なたるみ治療との併用を検討することもあります。とはいえ、眼窩脂肪の膨らみが原因であれば、一度の施術で長期間にわたる効果が得られるケースがほとんどです。

ダウンタイムと術後経過

下眼瞼脱脂は比較的負担の少ない施術とはいえ、術後には一定のダウンタイムが必要です。個人差はありますが、多くの場合、腫れや軽度の内出血は数日から1〜2週間程度で自然に引いていきます

とくに経結膜脱脂の場合は皮膚を切開しないため、表面に傷跡が残らず、腫れや痛みが比較的軽く、回復も早い傾向にあります。一方、皮膚を切開する方法では、腫れや内出血がやや強めに出ることもあり、術後の経過観察が重要になります。

術後数日間は、目元に違和感や軽い痛み、つっぱり感を覚えることがありますが、これらは時間の経過とともに改善します。冷却や安静、医師の指示に従った点眼・内服薬の使用など、適切なアフターケアを行うことで、よりスムーズな回復が期待できます。

また、仕上がりが自然になるまでには1ヶ月ほどかかることもあり、特に写真での変化や左右差の有無などが気になる場合は、焦らず経過を見守ることが大切です。

ほとんどの方は1週間前後で日常生活に復帰できますが、大事な予定やイベントがある場合は、2週間程度の余裕を持ったスケジュールを組むと安心です。

リスクと注意点

下眼瞼脱脂は比較的安全性の高い施術とされていますが、外科的な処置である以上、一定のリスクが伴います。事前に知っておくことで、安心して施術に臨むことができるでしょう。

まず注意したいのが、脂肪の取り残しや、逆に取りすぎによる凹み・くぼみです。これは、もともとの脂肪の量や分布、術式の選び方、そして医師の技術によって左右されます。片側だけふくらみが残ったり、左右差が気になるケースもゼロではありません。

また、術後に内出血や腫れが長引く場合や、ごくまれに感染や結膜炎などの合併症が起こることもあります。これらは術後のケアや経過観察で対処可能なものが多いですが、異常を感じた場合には速やかに医師に相談しましょう。

経結膜脱脂では傷跡が外から見えない一方、皮膚を切開する方法ではごく薄く線状の傷が残ることがあります。ただし、適切な縫合とアフターケアにより、ほとんど目立たなくなるのが一般的です。

いずれにしても、リスクを最小限に抑えるためには、施術実績が豊富な医師を選ぶことがもっとも大切です。カウンセリング時には、自分の状態に合った術式を提案してくれるか、説明が丁寧かどうかもしっかり確認しましょう。

向いている人・向かない人

下眼瞼脱脂は、目の下のふくらみが主な悩みであり、その原因が「眼窩脂肪」である方に特に向いている施術です。以下に、適している方と、そうでない可能性のあるケースをまとめます。

◎ 下眼瞼脱脂が向いている人

  • 目の下に膨らみがあり、疲れて見られがちな方
  • 若い世代でも、クマやふくらみが気になる方
  • スキンケアやメイクで隠しきれない悩みがある方
  • たるみが軽度で、皮膚のハリが比較的保たれている方
  • 外から見える傷を残したくない方

△ 向いていない可能性がある人

  • 目の下の膨らみよりも、皮膚のたるみやシワが目立つ方
  • 皮膚の弾力が低下し、脂肪除去だけでは仕上がりに満足できない方
  • 術後の回復に十分な時間が取れない方
  • 極端に不安が強く、細かな左右差にも過敏になってしまう方

このように、目元の状態や肌質によっては、脱脂単独ではなく他の治療(皮膚切除や脂肪再配置など)との併用が必要になる場合もあります。まずは信頼できる医師にしっかり相談し、自分の状態に合った選択をすることが大切です。

よくあるご質問

Q&A

「下眼瞼脱脂を受けてみたいけれど、本当に自分に合っているのか不安…」「ダウンタイムや効果はどのくらい続くの?」――そんな疑問を持つ方も多いはずです。
ここでは、実際によく寄せられる質問をもとに、下眼瞼脱脂に関する気になるポイントをまとめました。施術を検討するうえでのヒントとして、ぜひ参考にしてください。

効果はいつから実感できますか?
術後すぐにふくらみの減少は感じられますが、本来の仕上がりが見えてくるのは腫れが引く1〜2週間後からです。より自然な仕上がりになるには1ヶ月程度かかることもあります。
傷跡は残りますか?
経結膜脱脂では皮膚表面を切らないため傷跡は残りません。表面切開の場合も、まつ毛の下を切開するため、傷は目立ちにくく時間とともにほとんどわからなくなります
脂肪はまた増えることがありますか?
一度除去した脂肪は基本的に再び増えることはありません。ただし、加齢によるたるみや筋肉の緩みなどで、再び膨らみが出る可能性はあります。
ダウンタイム中に気をつけることは?
術後は目元を強くこすらない、温めすぎない、激しい運動を控えるといった注意が必要です。また、処方された薬の使用を守ることも回復を早めるポイントです。
保険は適用されますか?
下眼瞼脱脂は美容目的で行われるため、通常は保険適用外(自由診療)となります。費用や保証内容はクリニックによって異なるため、事前にしっかり確認しましょう。
経結膜脱脂と同時にヒアルロン酸やPRPは併用できますか?
可能なケースもありますが、術直後は腫れや炎症の影響が出るため、基本的には1〜2ヶ月空けてからの施術が推奨されます。クリニックによっては術中に脂肪再配置などを行うこともあるため、併用希望の場合は事前相談が必須です。
プレセプタル法と単純な経結膜脱脂はどう見分ければいい?
プレセプタル法は、プレセプタル脂肪を繊細に調整し、仕上がりを自然に見せる技術です。術式に明確な定義はありませんが、カウンセリングで「どこまで脂肪の位置やボリュームを調整してくれるのか」を具体的に質問するのが見極めのコツです。
手術直後、目の白目が赤くなると聞きましたが大丈夫?
経結膜アプローチを行うと、白目の部分(結膜下出血)が赤くなることがあります。これは出血が結膜の中に留まるためで、痛みや視力に影響はなく、通常1〜2週間で自然に吸収されます
睡眠不足や塩分で腫れる「浮腫み」と脂肪の膨らみは見分けられる?
浮腫みは時間帯や生活習慣によって変化する一方で、眼窩脂肪の膨らみは常に存在しているのが特徴です。朝だけ気になる人はまず生活習慣の見直しを。日中も目立つなら下眼瞼脱脂の適応となることがあります。
一度脱脂をしても、数年後にまた再手術になることはありますか?
脂肪が再生するわけではありませんが、加齢によって他の部位がたるんだり、眼輪筋が緩んで見た目に再び膨らみが出るケースはあります。再手術が必要になるかは年齢や状態によって異なるため、再発ではなく“変化への対応”として考えるのが現実的です

下眼瞼脱脂で理想の目元を目指すために

下眼瞼脱脂は、目の下のふくらみを根本から解消し、若々しく明るい印象へと導く治療法です。施術には複数のアプローチがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。とくに、皮膚の切開を伴う方法か、結膜側からアプローチする方法か、どちらが適しているかは個人の目元の状態によって異なります。

効果の持続性が高く、自然な仕上がりが期待できる一方で、取り残しや凹み、左右差などのリスクがゼロではないことも事実です。だからこそ、信頼できるクリニックで、自分に合った術式を選ぶことがとても重要です。

このページが、下眼瞼脱脂についての正しい理解と、不安を解消する一助になれば幸いです。理想の目元を目指す第一歩として、ぜひ納得のいくカウンセリングから始めてみませんか。

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