SNSで見かける“プチ整形”、本当に手軽?|リスクとリアルを徹底解説

美容整形というと、かつては「大きな手術を受けて顔を変えるもの」というイメージが一般的でした。しかし最近では、「注射だけ」「10分で終わる」など、短時間で手軽に受けられる“プチ整形”が大きな注目を集めています。
TikTokやInstagramなどのSNSでは、実際の施術シーンや直後のビフォーアフターが多数投稿され、「これなら私でもできそう」と感じる人も多いのではないでしょうか。

確かに、以前に比べて美容整形はより身近になりました。しかし、その“手軽さ”が一人歩きし、本来持つべき慎重さを失っているケースも見受けられます。このページでは、SNSでよく見かけるプチ整形の実態、注意点、そして受ける前に必ず知っておいてほしいポイントを詳しくご紹介します。

## 1. プチ整形って何?なぜこんなに流行っているの?

プチ整形とは、**メスを使わずに、注射やレーザーなどで見た目の印象を変える美容施術**の総称です。施術時間が短く、ダウンタイムも比較的軽いことから「気軽に受けられる美容医療」として広く知られています。

### 主な施術例:

* **ヒアルロン酸注入**:鼻筋、唇、涙袋、あご、こめかみなどにボリュームを与える
* **ボトックス注射**:表情じわの予防、エラ張りの改善、肩こりや脇汗対策
* **埋没法(二重整形)**:糸でまぶたを留めて二重ラインを作る
* **経結膜脱脂**:目の下のふくらみ(眼窩脂肪)を除去する施術

手術に比べて費用も安く、翌日から仕事や学校に行けるケースも多いため、若年層を中心に人気が急増しています。

## 2. SNSがつくり出す「手軽で安全」という幻想

SNSで「#プチ整形」と検索すると、驚くほど多くの施術レポートが表示されます。投稿には「5分で終わった!」「痛みゼロ」「ダウンタイムなし」といった言葉が並び、施術直後の仕上がりを笑顔で見せる画像が目立ちます。

こうした発信が、プチ整形に対する心理的ハードルを大きく下げているのは事実です。しかし問題なのは、「副作用」や「失敗」の投稿が圧倒的に少ないこと。
SNSでは**成功例ばかりが拡散され、トラブル例は可視化されにくい**傾向があります。加工フィルターがかけられていたり、施術直後だけを切り取った“ベストショット”が並ぶことで、「誰でも気軽に変われる」という誤解を生み出しています。

## 3. 実は多い、プチ整形のリスクとトラブル

「注射だけだから安全」「取れる施術だから安心」と考えていませんか?実際には、以下のようなトラブルが多く報告されています。

### よくあるトラブル例:

* **腫れ・内出血**:とくに目元や鼻への注入では、毛細血管に針が触れることでアザになるケースも
* **左右差・バランスの崩れ**:注入量が微妙にズレることで、不自然な顔立ちになることがある
* **しこり・凹凸感**:ヒアルロン酸の種類や注入層が適切でない場合に起こる
* **表情の硬直・目の開きにくさ**:ボトックスを打つ位置が不適切だと、自然な表情が失われる
* **戻らない変化**:一部のプチ整形は「元に戻せる」と言われているが、完全に元通りになるとは限らない

これらのトラブルの多くは、**施術者の技術不足やカウンセリングの不十分さが原因**です。「注射だけだから誰がやっても同じ」とは決して言えません。

## 4. モニター制度とSNS発信に潜むリスク

SNSで見かける施術レポートの多くは、**モニター制度による施術例**です。モニターは「安く施術を受けられる代わりに、顔写真の提供やSNS投稿が条件」となることが多く、一部には「特別なケース」を掲載していることもあります。

また、紹介料目的で施術を勧めるインフルエンサーや、PR案件で実際よりもよく見せている投稿も存在します。
その結果、SNSの投稿は**情報の偏りが非常に大きく、参考にすべきではない場合が多い**ことを理解しておく必要があります。

## 5. 「プチ」とはいえ医療行為。準備と見極めが不可欠

たとえ短時間の注射であっても、美容医療はすべて医療行為です。「注射=手軽」と考えがちですが、適切な知識と技術がなければ、理想の仕上がりにはなりません。

### 受ける前に確認すべきポイント:

* 使用する薬剤の種類・メーカー(効果の持続や安全性に直結)
* 医師の資格と経験(“カウンセラー施術”ではないか)
* 施術範囲・注入量・デザインについての具体的な説明があるか
* トラブル時のアフターケア体制が整っているか(再診対応・保証など)

## まとめ|本当に大切なのは「自分の納得」

プチ整形は、確かに以前よりも身近になった美容医療です。上手に活用すれば、自信を高めるきっかけにもなります。
しかし「誰でも簡単にキレイになれる」という幻想のまま飛び込むと、思わぬ後悔や修正地獄につながることも。

SNSの発信はあくまで「一部の成功例」であることを忘れず、正しい情報をもとに、自分にとって本当に必要かを考えてください。整形で一番大切なのは、“他人がどう思うか”ではなく、“自分が納得できるかどうか”です。

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