眉毛下切開は、加齢による上まぶたのたるみや重たい印象を改善するのに効果的な手術です。
しかし「見える位置に傷が残ったらどうしよう」「左右のバランスがおかしくなったら?」──そういった不安から、一歩を踏み出せない人も少なくありません。
実際、手術にはリスクがあるのも事実です。とくにこの施術はデザイン力や縫合技術が仕上がりを大きく左右し、医師の経験やセンスが問われます。
ここでは、眉毛下切開における代表的なリスク(傷跡、左右差、不自然な仕上がりなど)を丁寧に解説し、それらをできる限り避けるための予防法・クリニック選びのポイントを詳しくお伝えします。
傷跡が目立つ・赤みが残る理由
眉毛下切開は、眉のすぐ下を切開するため、一見すると「傷が目立つのでは?」と不安に思われがちですが、本来この部位は傷が非常に目立ちにくい場所とされています。実際、経験豊富な医師が丁寧に手術を行い、術後ケアもしっかりと行えば、数ヶ月のうちに傷跡はほとんど分からなくなるのが一般的です。
しかし以下のような要因によって、目立ってしまうケースも存在します。
- 縫合の仕上がりが不十分で、皮膚に段差や凹凸が残る
- 糸の抜去時期が早すぎる/遅すぎることによる炎症反応
- 眉下のアーチに沿わない直線的な切開ラインで不自然さが残る
- 術後すぐにメイクや洗顔を行い、傷口が刺激される
- UV対策を怠り、色素沈着や赤みが長引く
- もともと傷が治りにくい体質(ケロイド体質など)
さらに、術後にかさぶたを無理にはがす、保湿を怠る、激しい運動で血流が増加するなど、日常の些細な行動も傷の治りに影響を及ぼします。
「眉に隠れるから大丈夫」と油断せず、目立たせないためには、医師の技術と患者側の正しいケアの両方が重要です。
左右差や不自然な仕上がりの原因
眉毛下切開は、まぶたのたるみを自然に改善できる魅力的な手術ですが、左右差が出たり、不自然な仕上がりになるリスクもゼロではありません。仕上がりに違和感を感じる主な原因には、次のようなものがあります。
① 取りすぎ・切りすぎによる「吊り目」や「目元のひきつれ」
必要以上に皮膚を切除すると、目尻が吊り上がったり、上まぶたがひきつれた印象になることがあります。特に加齢で皮膚の弾力が弱くなっている人は、少しの切除でも強く引っ張られたような印象が出やすくなります。
② 左右のバランスを見誤ったデザイン
術前にしっかりとしたシミュレーションが行われなかった場合や、医師の経験が浅い場合には、眉の形・骨格・たるみの左右差を見落とし、術後に「目の開き具合が違う」「まぶたのラインが不揃い」といった左右差が生じることがあります。
③ 二重のラインとの整合性が取れていない
もともとある二重ラインや、過去に受けた二重整形との関係性を考慮せずに眉下切開を行うと、まぶた全体のバランスが崩れてしまい、不自然な印象になることもあります。
このような不自然さは、術前の診察やデザイン設計が不十分であることが原因であるケースが多く、信頼できる医師を選ぶことが重要です。
リスクを抑えるための予防法と対策
眉毛下切開のリスクを最小限に抑えるには、手術前の準備・医師の選び方・術後のケアの3つが大きなポイントになります。
① 経験豊富な医師を選ぶ
この手術は、デザイン力と細かな縫合技術が求められる繊細な施術です。
だからこそ、眉毛下切開の経験が豊富で、症例写真を多数公開している医師を選ぶことが何よりも大切です。
特に注目したいのは以下の点
- 自然な仕上がりを得意としているか
- 傷跡の残りにくい縫合ができるか
- カウンセリングで左右差や皮膚の状態まで細かく確認してくれるか
信頼できる医師は、「何ミリ切ればいい」といった単純な判断ではなく、骨格・まぶたの厚み・皮膚の伸び具合など総合的に考えて、慎重に切除量を調整します。
② デザイン・シミュレーションの徹底
術前のデザインこそ、手術の成否を大きく分けるポイント。
「眉毛の形」「眉とまぶたの距離」「左右差」などを細かく確認しながら、どこをどのくらい切除するかを、実際にペンで描いてシミュレーションしてくれる医師を選びましょう。
このプロセスがないクリニックや、簡単な説明だけで手術を進めようとする医師は要注意です。
③ 術後のケアを怠らない
どんなに丁寧な手術を受けても、術後のケア次第で仕上がりは大きく左右されます。
とくに以下のポイントには注意が必要です。
- 傷口を無理に触らない・かさぶたをはがさない
- 紫外線対策をしっかり行う(色素沈着の原因になる)
- 処方された薬をきちんと使う
- 腫れや赤みが気になるときは自己判断せずクリニックに相談する
傷がキレイに治るような環境を整えることは、患者側にもできる「仕上がりを良くする工夫」です。
術後のトラブルを感じたときの対処法
どんなに丁寧な手術でも、術後に予期せぬトラブルが起こる可能性はゼロではありません。
ここでは、よくあるトラブルへの初期対応と、必要に応じた再手術・修正手術の選択肢についてご紹介します。
傷が開いた・赤く腫れた場合の対応
術後の傷が「赤く腫れる」「熱をもっている」「じゅくじゅくしてきた」といった症状が見られる場合、感染や縫合不良の可能性があります。
また、無理にこすったり、かさぶたを剥がしてしまったことで傷が開いてしまうケース**も。
このようなトラブルが起きたら、自己判断せず、必ず手術を受けたクリニックへ連絡・受診しましょう。
早期対応すれば、炎症を抑える薬の処方や、縫い直しなどで対応できることも多く、トラブルを最小限に抑えることができます。
再手術・修正手術の選択肢
もしも「傷が目立つようになった」「左右差が気になる」「仕上がりが不自然」などの問題が生じた場合は、再手術や修正手術という選択肢があります。
ただし、すぐに再手術を行うのはリスクもあるため、以下の点に注意が必要です。
- まずは術後の腫れが完全に引くまで待つ(通常1~3か月)
- 仕上がりを冷静に判断できるようになるまで経過を見る
- 必要であれば、他院でセカンドオピニオンを受けて、より客観的な意見を得る
また、修正には高度な技術が必要なため、初回とは別のクリニックを選ぶ場合は、修正手術の実績が豊富な医師を選ぶことが非常に重要です。
“リスクを知ること”が、美しさへの第一歩
眉毛下切開は、目元のたるみを自然に改善できる人気の手術ですが、見た目の変化が大きい分、失敗やリスクに対する不安も少なくありません。
しかし、リスクの存在を正しく理解し、それを最小限に抑えるための予防策を知っておくことで、安心して施術を受けることができます。
特に重要なのは、以下の3点です。
- 医師の技術や経験を見極めること
- 術後のケアを丁寧に行うこと
- トラブルが起きたときは早めに相談すること
美容整形に“絶対”はありません。だからこそ、リスクと向き合いながら、自分にとって本当に納得できる選択をすることが大切です。
「キレイになりたい」という思いを、後悔のない形で叶えるために。
眉毛下切開に関する正しい情報をもとに、自分らしい美しさを手に入れてください。