美容整形の中でも、脂肪吸引は特に料金に幅があり、相場や適正価格がわかりにくい施術のひとつです。
さらに、表面上は安く見えても、実際には別料金が多かったり、仕上がりに不満が残ったりするケースも
ここでは、脂肪吸引の費用について知っておくべき注意点を丁寧に解説します。
- – なぜ料金にこんな差が出るの?
- – 「安い=危ない」って本当?
- – 失敗や修正が必要になったとき、費用はどうなるの?
こうした疑問をクリアにしながら、安心して納得のいくクリニック選びができるように、費用の仕組みから“落とし穴”まで、わかりやすくまとめました。
1. 脂肪吸引の費用はどう決まる?
脂肪吸引の料金は、クリニックごとに差が大きく、さらに広告や公式サイトの表記も一見わかりにくいことが多くあります。
「1部位○万円〜」という表示だけを見て判断してしまうと、後から追加費用や施術内容の違いに驚くことも。
まずは、脂肪吸引の費用がどのような要素で構成されているのかを整理しておきましょう。
① 吸引する部位と範囲
当然ながら、部位が広い・複数にまたがるほど費用は高くなる傾向にあります。
また、「二の腕」と言っても、上腕全体・外側だけ・肩にかけてなど、範囲設定が異なることもあります。
✔ 同じ部位でも範囲が狭ければ安く、広ければ高額に
✔ 顔・あご下などは比較的安価、太ももやお腹は高め
② 使用する施術方法・機器
脂肪吸引の方法(チューメセント法、ベイザー、ボディジェットなど)によっても価格に差があります。
たとえばベイザー脂肪吸引は、専用機器や技術が必要なため、通常の吸引より費用が高くなります。
✔ 高度な技術・新しい機器を使用するほどコスト増加
✔ 一方でダウンタイムや効果に差が出ることも多い
③ 医師の技術料・実績による価格差
「同じ施術名」でも、誰が担当するかで大きく仕上がりが変わるのが脂肪吸引。
人気のある医師・実績が豊富な医師ほど高額に設定されているケースが一般的です。
✔ 一流の医師ほど料金は高くなるが、満足度も高い傾向
✔ 「指名料」が別途発生するクリニックも存在
④ 麻酔方法とその費用
脂肪吸引には局所麻酔・静脈麻酔・全身麻酔など複数の麻酔法があり、選択する麻酔によって費用が大きく変わることがあります。
✔ 顔や二の腕などは局所麻酔が一般的
✔ お腹・太ももなどの広範囲施術では全身麻酔が必要になることも
✔ 麻酔医の立ち会いがあるかどうかも費用に関係
⑤ アフターケア・再診・付属品
術後の圧迫下着(ガードルなど)・内服薬・再診料・ドレーン処置などがすべて込みになっている場合と、
基本料金とは別で都度請求される場合があるため、事前確認が必要です。
✔ 圧迫着は自費で購入すると2〜3万円ほどかかることも
✔ 再診が有料か無料かでもランニングコストに差が出る
このように、脂肪吸引の費用は単純な「施術代」だけでは語れません。
次では、「安さ」だけで決めてしまうとどうなるのか、その落とし穴について解説していきます。
2. 「安さ」だけで選んで後悔する理由
「1部位◯万円」「地域最安値」など、脂肪吸引の広告には一見魅力的な価格設定が並びます。
しかし、こうした“安さ重視”でクリニックを選んだことで、仕上がりに不満を感じたり、結局高くついたという声も少なくありません。
ここでは、実際に多くの人が後悔したポイントをもとに、「安さだけで選んではいけない理由」を掘り下げていきます。
① 吸引量が極端に少ない
広告の料金に惹かれて受けてみたら、「なんとなく変わった?」程度の微細な変化しか得られなかったという声が多くあります。
中には、「脂肪はほとんど取っていないのに“1部位”扱いで請求された」というケースも。
- ✔ 「1部位」が具体的にどこまでか、範囲の確認が重要
- ✔ 医師によっては安全重視という名目で吸引量が控えめなことも
② 技術が未熟な医師にあたることがある
料金を極端に下げているクリニックの中には、経験の浅い医師が練習的に手術を担当している場合もあります。
症例写真が少なかったり、医師のプロフィールに実績が見当たらない場合は注意が必要です。
- ✔ 吸引は「誰がやるか」がすべて。安さより技術を重視
- ✔ 担当医師が明示されているかどうかもチェックポイント
③ アフターケアが雑 or 別料金
一見安く見える施術でも、術後に必要な圧迫下着・薬・再診などがすべて別途請求される場合、最終的な費用はかえって割高になることも。
また、術後のトラブル時に「有料で対応」とされるケースもあります。
- ✔ 「安いけど、ケアがない」「相談しづらい」環境は不安が大きい
- ✔ アフターサービスの内容は、料金表に書かれていないことも多い
④ 修正・再施術にさらなる費用がかかる
吸引量が足りない・左右差・凹凸などのトラブルが起きた場合、本来なら保証があると安心ですが、安価なプランでは保証が一切ないことも。
結果として、「納得いかずに他院で再手術 → トータル費用が2倍以上に…」というパターンもあります。
- ✔ 初回の費用だけでなく、“仕上がり”まで見据えて費用を考えることが大切です。
3. 費用の内訳を正しく理解する
脂肪吸引の「○○万円」と書かれている料金が、本当にすべて込みの価格なのか?
それを見極めるには、費用の“中身”をしっかり理解しておくことが大切です。
ここでは、一般的に脂肪吸引で発生しうる費用項目を整理し、何が含まれているか/含まれていないかを確認すべきポイントをご紹介します。
① 手術費用(基本料金)
これは最も目立つ「脂肪吸引〇〇万円」の部分で、部位・範囲・吸引方法によって決まります。
ただし、“この金額だけ”で施術が完結することは少ないというのが現実です。
- ✔ 施術範囲が広くなると部位追加で加算される
- ✔ 同一部位でも細かく分けて課金される場合も(例:腹部上・下・側面など)
② 麻酔代
局所麻酔・静脈麻酔・全身麻酔のいずれを使うかで大きく変動します。
「麻酔代込み」と書かれていても、実際は局所麻酔だけの金額で、静脈麻酔を希望すると追加になるケースも多く見られます。
- ✔ 全身麻酔の場合、麻酔医の立ち会い料金も発生することがある
- ✔ 麻酔代は部位・体格によっても変動する
③ 術後の圧迫下着・ガードル代
脂肪吸引後には専用の圧迫着が必要で、これが別売りになっているクリニックもあります。
安価な施術プランでは圧迫着を「自分で購入してください」と案内されることも。
- ✔ 圧迫下着は1〜3万円程度が相場
- ✔ 部位によって複数枚必要な場合も
④ 内服薬・処置代・再診料
術後の抗生剤、痛み止め、胃薬などの内服セットや処置費用も、別料金になる場合があります。
また、1回目の再診だけ無料・以降は有料といったシステムも多く見られます。
- ✔ 「再診料が毎回3,000円」「ドレーン処置に1万円」などの実例もあり
- ✔ 処置や診察が都度発生するなら、トータルで把握しておくべき
⑤ 指名料・時間外料金などの“隠れ費用”
特定の医師を指名する場合に「指名料」がかかるケースがあります(1〜5万円程度)。
また、土日や夜間の施術で時間外加算があるクリニックも。
- ✔ 表示されていないが、カウンセリング時に提示されることが多い
- ✔ 希望の医師で受けるなら、事前確認は必須
4. 保証制度の有無を必ず確認しよう
脂肪吸引は、手術当日で完結するものではありません。
吸引後の見た目や左右差、想定外の凹凸・吸引不足といった「仕上がり」に対して不満が残ることもあります。
そうした場合、クリニックによっては「修正対応」「再施術の保証」がある一方で、完全に自己負担になるケースもあります。
だからこそ、施術を受ける前に保証制度の有無や内容を確認しておくことが非常に重要なのです。
よくあるトラブルと「保証の対象になる」ケース
実際に脂肪吸引の術後に起こりやすい不満・トラブルには、以下のようなものがあります。
- 吸引量が少なすぎて見た目の変化が乏しい
- 明らかな左右差が残った
- 表面に凹凸や段差ができてしまった
- 再吸引を希望するも、保証対象外とされた
- 修正希望を伝えたら再度全額請求された
これらは一部のクリニックでは「保証の対象として再施術が無料または低額で受けられる」ケースもありますが、
そうでない場合は再施術に数十万円かかることも珍しくありません。
保証制度の“よくあるパターン”と注意点
保証のタイプ | 内容と注意点 |
---|---|
明示的な保証あり | 「左右差や吸引不足を再施術で補う」と明記。対応内容や申請期限の確認が必要。 |
一部の条件付き保証 | 「〇ヶ月以内に限り対応」や「〇部位のみ」など、制限付き保証も多い。 |
保証なし(再施術は有料) | 初回施術が格安な場合によく見られる。トラブル時の再施術は全額自己負担に。 |
⚠ 保証あり=安心とは限りません。**保証を受けるための条件**が細かく設定されていることが多く、
「吸引不足ではないと判断された」「軽微な左右差なので対象外」と言われてしまう例もあります。
保証制度を確認するときのチェックポイント
カウンセリング時には、次のような質問をしておくと安心です。
- 仕上がりに満足できなかった場合、再施術は可能ですか?
- 左右差・吸引不足はどこまで保証対象になりますか?
- 保証期間は何ヶ月ですか?期限を過ぎたらどうなりますか?
- 保証を申請するにはどうすれば良いですか?書面などはもらえますか?
- アフターケアや再診料は保証の範囲に含まれますか?
これらの質問に、曖昧な返答しかなかったり、保証内容が口頭のみで書面に残らない場合は注意が必要です。
「保証制度あり」のクリニックが必ずしも正解とは限らない
保証制度があることは安心材料のひとつですが、それよりも大切なのは、そもそもトラブルを防ぐ技術があるかどうかです。
- 保証があっても、同じ医師に再施術をされることへの不安
- 保証はあったが結果的に再施術しても満足できなかった
- 保証を利用すること自体がストレスになる場合も
そのため、「保証はあって当然」くらいの感覚で、最初から納得のいく結果を出せる医師選びを最優先に考えること
をおすすめします。
5. 脂肪吸引の費用相場|安すぎる&高すぎるの基準は?
脂肪吸引の費用は、クリニックや施術内容によって数十万円単位で差が出ます。
「結局いくらが普通なの?」「高いクリニックの方が安全?」と迷ってしまうのは当然です。
ここでは、部位別の平均的な費用感と、「安すぎる or 高すぎる」と判断する目安をご紹介します。
部位別|脂肪吸引の料金相場(両側 or セット価格)
部位 | 相場の目安(税込) |
---|---|
顔(頬・あご下) | 20〜40万円程度 |
二の腕 | 20〜50万円程度 |
お腹(上下・ウエスト含む) | 40〜80万円程度 |
太もも(内外全体) | 60〜100万円程度 |
ふくらはぎ | 30〜60万円程度 |
背中・腰まわり | 30〜70万円程度 |
※施術方法(ベイザー・シリンジ法など)、麻酔の種類、指名料の有無などで上下します。
安すぎる場合の注意点
「1部位〇万円〜」と書かれていて、10万円台やそれ以下の金額を提示されている場合は以下のような可能性があります。
- 吸引量が極端に少ない or 部位が限定的
- 麻酔代・下着・薬代などが別料金
- 保証制度がない or 有料
- 経験の浅い医師やモニター施術(練習的な対応)の可能性
安く見えても、トータルでは相場と変わらないか、それ以上のリスクがあることも。
高すぎる場合に注意すべき点
逆に、相場より大きく高い場合にも次のようなポイントを見極めましょう。
- 特別な技術や機器が使われている
- 症例多数・指名殺到の人気ドクターが対応
- アフターケアや保証が極めて手厚い
- 全身麻酔・麻酔医立会いなど安全性を最優先している
高額でも納得できる「理由」がある場合は問題ありませんが、内容に対して過剰な価格設定でないかの見極めが必要です。
価格の“妥当性”を見極めるコツ
- 同じエリア内で3〜5院を比較する
- 症例写真や口コミと価格のバランスを見る
- 「何が込み」「何が別料金」かをカウンセリングで要確認
- モニター価格は割安だが条件(SNS掲載・写真提供など)を確認
価格は大事な判断材料ですが、最終的に選ぶべきは“信頼できる医師とクリニック”です。
「価格が安いから決める」「高いから安心」といった単純な判断ではなく、内容と価格のバランスで選ぶことが後悔しないための鍵となります。
6. 費用は“安心”と“技術”への投資
脂肪吸引の費用は、「ただ安ければいい」「高ければ安心」という単純なものではありません。
大切なのは、その価格の裏にどんな技術・対応・想いがあるのかを見極めることです。
確かに、脂肪吸引は安い施術ではありません。
けれど、それはあなたのコンプレックスを解消し、毎日の自信と笑顔につながる“変化”を得るための投資でもあります。
- – 丁寧に仕上げてくれる医師か?
- – 万一のときにしっかり対応してくれるクリニックか?
- – 費用に見合った満足を、ちゃんと得られそうか?
価格表だけではわからない大切な要素を、どうか見落とさないでください。
そして何より、納得できるまで相談し、あなた自身が「ここで受けたい」と思える選択をすることが、後悔しないための一番の方法です。
費用に関する不安は、どんな人にとってもつきものです。
でも、その不安をしっかり解消してから受ける脂肪吸引は、あなたの未来を前向きに変えてくれるかもしれません。