# 脂肪移動術(ハムラ法・経結膜下脂肪移動)|ふくらみとくぼみを同時に改善
## 脂肪移動術とは?
脂肪移動術は、目の下のふくらみ(眼窩脂肪)を単に取り除くのではなく、**突出した脂肪を下まぶたのくぼみ部分へ移動させる**手術です。
ふくらみとくぼみが同時に存在する場合に適しており、段差をなだらかにして自然で若々しい目元を作ります。
代表的な方法として、皮膚を切開する**ハムラ法**と、まぶたの裏側から行う**経結膜下脂肪移動**があります。
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## 脂肪移動術が向いている人
– ふくらみとくぼみが同時に気になる人
– 脂肪を取り過ぎると老けた印象になりそうな人
– 長期的に自然な仕上がりを求める人
– 皮膚のたるみが中等度以上ある人(ハムラ法)
– ダウンタイムが許容できる人
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## 脂肪移動術の原理
目の下のふくらみは、眼窩脂肪が前に突出してできる一方、その下に位置する頬側は骨や脂肪が減少してくぼみや段差ができます。
脂肪移動術では、この突出脂肪を下方に移動し、くぼみを埋めることで、ふくらみとくぼみを同時に解消します。
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## 術式の種類
### ハムラ法(皮膚切開アプローチ)
下まつ毛のラインに沿って皮膚を切開し、脂肪を露出させて下方に移動・固定します。皮膚のたるみも同時に切除可能。
– **メリット**:ふくらみ・くぼみ・皮膚のたるみを同時に改善
– **デメリット**:表に傷ができる(ほとんどは目立たない)、ダウンタイムが長い
### 経結膜下脂肪移動
まぶたの裏側(結膜側)からアプローチし、脂肪を下方へ移動。皮膚を切らないため傷跡が残らない。
– **メリット**:表に傷が残らない、ダウンタイムが比較的短い
– **デメリット**:皮膚のたるみは改善できない
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## 手術の流れ
1. カウンセリング・診断
2. 麻酔(局所または静脈麻酔)
3. 切開(皮膚または結膜)
4. 脂肪の移動・固定
5. 必要に応じて皮膚切除(ハムラ法)
6. 縫合・冷却
7. 術後説明
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## ダウンタイムと経過
– **腫れ・内出血**:1〜2週間程度
– **抜糸**(ハムラ法の場合):5〜7日後
– **メイク再開**:1週間〜10日後(結膜アプローチは3〜5日後)
– **完成の目安**:3〜6か月
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## メリット
– ふくらみとくぼみを同時に改善できる
– 脂肪を生かすため、取り過ぎによる老け見えリスクが低い
– 長期的な効果が期待できる
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## デメリット・リスク
– ダウンタイムが経結膜脱脂より長い
– 技術が難しく、医師の経験によって仕上がりに差が出る
– 脂肪の固定位置が安定せず、再度ふくらみやくぼみが出ることがある
– 内出血・腫れ・左右差の可能性
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## よくある失敗例
– 脂肪移動後の固定不足で再度段差が出る
– 脂肪の位置が浅すぎて膨らみすぎる
– 左右差や不均一な仕上がり
– ハムラ法での傷跡が想定より目立つ(稀)
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## 失敗を避けるためのチェックポイント
1. 脂肪移動術の症例経験が豊富か
2. ハムラ法と経結膜下脂肪移動の両方に対応できるか
3. 皮膚のたるみや骨格も含めて総合的に診断してくれるか
4. 術後の再発・左右差への修正方針があるか
5. 症例写真や術後経過をしっかり見せてもらえるか
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## まとめ
脂肪移動術は、ふくらみとくぼみを同時に改善できる優れた方法です。
単なる脱脂では老け見えする可能性がある人にとって、自然で若々しい仕上がりが期待できます。
ただし、技術的に難易度が高いため、経験豊富な医師を選び、術式のメリット・デメリットを理解したうえで決断することが大切です。