美容整形より先に知ってほしい、“汗の医療”という選択

腋臭・多汗症

「あれ? もしかして…汗って、治療できるの?」
そんな一文を目にしたとき、思わずスマホを握り直した。

私は昔から、汗っかきだった。
夏はもちろん、春先やちょっと緊張したときにも、ワキ汗がにじむ。
グレーやベージュの服は避けて、汗ジミが目立たない黒やネイビーばかり選ぶ。
つり革は持たない。背筋を伸ばさずに歩く。人とすれ違うたび、腕をぎゅっと体にくっつける。

「汗なんて誰でもかくし」「気にしすぎ」って言われるけど、
“気にしてる自分を、自分が一番気にしてる”のが一番つらかった。

制汗剤、パウダー、脇パッド、汗拭きシート。
あらゆるアイテムを駆使しても、不安は完全に消えない。
それでも私はずっと、“これが体質なんだ”と、どこかであきらめていた。

だから、目にしたんだ。「脇汗治療」「ボトックスで多汗症改善」という言葉を。
最初は、もちろん信じていなかった。
でも調べれば調べるほど、そこには美容整形とはまったく違う、“医療としての選択肢”が広がっていた。

整形じゃない。でも、たしかに人生が軽くなる。
これは、美容ではなく、私の「生活」の話。
知らなかっただけで、きっとずっと前から、必要だった治療だったのかもしれない。

「美容整形までは…」その一歩手前で止まっていた私

周りはどんどん垢抜けて、整形も身近になった時代。
でも私は、自分の顔や体を“変えること”には、どこかで抵抗があった。

でも、顔じゃなくて「汗」の悩みって…どうしたらいいの?
Tシャツの汗ジミ、接客中の脇汗、無意識に気にしてる自分がイヤだった。
でも整形するほどのこと? 誰に相談すればいいの?
なんとなく検索していて、たどりついた言葉があった。

「脇汗の治療」「ボトックスで多汗症改善」
——それって、美容整形じゃなく、“医療”なの?

汗は「体質」ではなく「治療できる症状」かもしれない

じつは、脇汗を止める治療にはいくつか種類があります。
有名なのは「ボトックス注射」。でも、それだけじゃありません。

汗の治療、こんなに選べる!
治療法 特徴・メリット 費用目安・持続
ボトックス注射 汗腺の神経伝達を抑制。注射だけでOK 自費:3万〜6万円/3〜6ヶ月
外用薬 エクロックゲル・ラピフォートなど。自宅で塗布 保険適用可・持続数日〜週単位
ミラドライ 汗腺を熱で破壊。半永久的な効果も期待 30万前後/1回
内服薬 全身性の汗に対応。副作用に注意 保険あり/症状により調整
手術 重度の多汗症に。根治的 保険適用あり

「汗は恥ずかしい」「我慢するしかない」
そう思っていたけど、ちゃんと医学的な解決策がある
それって、美容整形より前に知るべきことじゃないだろうか?

整形より“快適”がほしい——自分の優先順位に気づけた日

周りが鼻や輪郭を変えているなかで、
私が選んだのは「汗を気にしない生活」だった。

誰かに気づかれるような変化じゃないけれど、
私の中では人生レベルでラクになった感覚があった。

服の色を気にしなくなった。
つり革を堂々と持てるようになった。
なにより、“私、ちゃんと自分を助けたな”って思えた。

「整形はちょっと…」の前に、知っておくべき医療がある

美容医療は“きれいになる”ためのもの。
でも、“悩みをなくす”ための医療もある。

汗や体毛、肌荒れ、ニキビ、におい……
「誰にも言えなかったけど、本当はつらい」って思っていたことこそ、
ちゃんと治療できる可能性がある。

変えるためじゃなく、守るために受ける医療がある。
それを知ってから、美容医療との距離感がぐっと変わった気がする。

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