脇ボトックスのデメリット:知っておくべきリスクと注意点

腋臭・多汗症

脇ボトックス デメリット

脇汗やワキガの悩みを解消する治療として、手軽に受けられる「脇ボトックス」。
ダウンタイムがほとんどなく、即効性のある治療として人気ですが、「効果があるなら何の問題もない」と考えるのは危険です。
実際には、軽度な副作用や効果の限界、注意すべき点も存在します。
治療を受ける前に、あらかじめ知っておくべきデメリットを理解しておくことで、
後悔のない選択ができるはずです。
ここでは、脇ボトックスの代表的なリスクや注意点、誤解されがちなポイントについて詳しく解説します。

効果は永続しない(持続期間の限界)

脇ボトックスは、汗を抑える即効性のある治療として人気ですが、その効果は永久的ではありません。一般的には、注入後2〜3日で効果が現れ、1週間程度でピークに達し、その後はゆっくりと効果が薄れていくのが特徴です。

  • 一度打てばずっと効くわけではない
  • 持続はおおよそ4〜6ヶ月
  • 継続するには定期的な再施術が必要

■ 効果の持続は4〜6ヶ月が目安

個人差はありますが、持続期間の目安はおよそ4〜6ヶ月間
つまり、夏前に打った場合は秋口までは効果が続く計算になります。
ただし、代謝が早い方や発汗が強い方の場合は、3ヶ月程度で効果が弱まるケースもあります。

■ 継続するには定期的な治療が必要

効果が切れたあと、また汗の量が元に戻ってきたと感じたら、再び注射を受ける必要があります。
「一度打てば一生汗をかかなくなる」と思っていると、期待外れに感じることもあるかもしれません。

■ 長期的には“汗の減少傾向”を感じる人も

数回繰り返すことで、汗腺の活動が抑制され、全体的に汗が減ったように感じる>という報告もあります。
とはいえ、それが全員に当てはまるわけではないため、短期的な効果を前提に治療を受ける意識が大切です。

注入部位の内出血や腫れ

脇ボトックスは注射による治療のため、ごく軽度の副反応が生じることがあります。
その代表的なものが、注射部位の内出血や腫れです。

■ 針を刺すことによる軽度の反応

皮膚が薄い脇の下は、毛細血管が多いため、注射時に針先が血管に触れると内出血が起こることがあります。また、注入するボトックスの量が多い場合、一時的に皮膚の膨らみや腫れが見られることもあります。
これらは多くの場合、数日以内に自然に治まるため、特別な処置を必要としません。

■ 気になる人は「内出血が出にくい方法」を相談

どうしても見た目が気になるという方は、内出血の出にくい極細針を使用しているか術後のアイシングを行ってくれるかなど、事前のカウンセリングで確認しておくと安心です。
また、治療当日は強く擦らない・長時間の入浴を避けるなど、刺激を控えるようにすることも大切です。

■ 万が一長引く場合はクリニックに相談を

通常はすぐに回復しますが、赤みや腫れが長引く・痛みが強いといった場合には、
感染など他の原因が隠れていることもあるため、施術を受けたクリニックに相談することをおすすめします。

汗の出口が変わる?代償性発汗のリスク

脇ボトックスの効果で脇汗が抑えられると、「他の部位から汗が増えた気がする」という声を聞くことがあります。これがいわゆる「代償性発汗」と呼ばれる現象です。

■ 汗は体温調節のために必要な生理現象

汗は、体温を調節する大切な働きを担っています。
そのため、脇の発汗が抑えられると、体は別の部位(背中、首、頭皮など)でバランスを取ろうとすることがあるのです。
ただしこれは全員に起こるわけではなく、あくまで一部の人に見られる変化です。

■ 発生頻度は高くないが、認識しておくべき

代償性発汗の頻度は高くありませんが、「汗が移動したように感じる」という患者さんの声は一定数あります。特に元々汗の多い人や、自律神経が敏感な人に生じやすいとも言われています。

■ 医師との相談で対策も可能

代償性発汗が不安な方は、カウンセリングの段階でリスクを相談してみましょう。

  • 汗の悩みの強さ
  • 他の部位の汗の出方
  • 汗による生活の支障の程度

といった内容を共有することで、ボトックス以外の選択肢や治療範囲の調整など、より適した対応を検討してもらえる場合があります。

注入量不足・技術の差による“効果のムラ”

脇ボトックスは注射1本で完了するシンプルな治療のように見えますが、実際には医師の技術や使用される薬剤の量によって効果に差が出ることがあります。
特に「思ったほど汗が止まらなかった」というケースでは、注入量の不足や注射の精度が原因となっていることが多いのです。

■ ボトックスの“単位数”が明確でないクリニックに注意

ボトックスの効果は、どれだけの薬剤(単位数)が注入されるかで決まります。
しかし、格安をうたう一部のクリニックでは、具体的な単位数を明示せず、実際はかなり薄めた薬剤を使用しているケースも存在します。
価格が安くても、「しっかり効かない」「すぐに汗が戻ってしまった」と感じる場合、注入量が不十分だった可能性も否定できません。

■ 医師の技術・経験も重要な要素

脇には多数の汗腺がありますが、それらを正確にカバーするためには、経験に基づいた適切な注射ポイントの見極めが不可欠です。
経験の浅い医師や、美容医療に慣れていない医師では、注入位置がズレてしまい、部分的にしか効果が出ないケースもあります。

■ しっかり効かせたいなら、実績豊富な医師のもとで

満足のいく結果を得たいなら、ボトックス治療に慣れた医師が在籍し、使用薬剤や単位数をしっかり説明してくれるクリニックを選びましょう。
「何を、どれくらい、どこに打つか」を明示してくれる医師であれば、納得して治療に臨めるはずです。

効果の感じ方には個人差がある

脇ボトックスは多くの人に高評価されている治療ですが、その効果の感じ方には個人差があることも理解しておく必要があります。全員が「汗がピタッと止まった!」と感じるわけではなく、「ちょっと減った程度」や「左右で効き方に差がある」と感じる人もいるのです。

■ 汗の量・体質・代謝で効果が変わる

人それぞれ、汗をかきやすい体質や、発汗の程度が異なります。
また、代謝が活発な人やスポーツ習慣がある人は、ボトックスの分解も早く、持続期間が短くなりやすい傾向にあります。
そのため、効果の出方や持続時間が「口コミ通り」とは限らない点には注意が必要です。

■ 「全く汗をかかなくなる」は期待しすぎ

ボトックスは「発汗をコントロールする治療」ではありますが、汗腺を完全に無効化するものではありません。「まったく汗をかかなくなる」と思って受けると、「少しは出るんだ」と落胆することもあります。
特に期待値が高すぎると、満足度が下がりやすくなるため、あらかじめリアルな効果を知っておくことが大切です。

■ 効果の実感が薄い=失敗ではない

「汗は減ったけど、自分が想像していたほどではなかった」
…そう感じる場合でも、それは治療が失敗したわけではありません。
期待値と実際の効果のギャップが大きかっただけで、医学的には適切な効果が出ていることもよくあります。
納得できる治療にするには、事前に自分のゴールや希望を明確にし、医師としっかりすり合わせることが重要です。

デメリットを理解したうえで選ぶ大切さ

脇ボトックスは、手軽で即効性があり、多くの人に選ばれている治療です。
しかし、どんなに人気のある施術でも、「リスクゼロ・万能な治療」ではありません。
だからこそ、メリットだけでなく、デメリットや限界を理解したうえで治療を選ぶことが、満足のいく結果につながります。

■ ネガティブな情報にも目を向けることが安心につながる

「不安なことは知りたくない」と思う方もいるかもしれませんが、治療を後悔しないためには、リスクについても知っておくことが必要不可欠です。
むしろ、事前にリスクを把握しておくことで、想定内のこととして冷静に対処できるようになります。

■ 不安がある場合はカウンセリングで解消を

疑問や不安があるときは、施術前のカウンセリングでしっかり質問することが大切です。
良心的なクリニックであれば、きちんと説明し、無理な勧誘をせず、納得してから治療を受けられる環境を整えています。

■ あなたに合った選択が、一番の満足につながる

脇ボトックスのデメリットを理解したうえで、「自分に合っている」と感じたなら、それは自信を持って選べる治療です。
焦らず、よく調べて、納得できる選択をしましょう。

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