治療の実際
OPERATION
こめかみリフトの治療方法について詳しく説明しましょう。
こめかみリフトの手術の工程は簡単に説明すると6つの工程で行います。
局所麻酔→皮膚切開→剥離→筋肉・筋膜の短縮→皮膚の引き上げ→傷の縫合
まず始めに麻酔です。こめかみリフトの標準的な麻酔方法は局所麻酔です。切開する耳の上部5〜7㎝の範囲、剥離する皮膚の目尻〜こめかみ部分全体に局所麻酔の注射を打ちます。どんな手術にも言えることですが、手術中の痛みは麻酔の注射の痛みです。麻酔が効けば手術中に痛みを感じたり苦痛となるようなことはありません。
麻酔が十分効いたら次は皮膚を切開します。こめかみリフトは耳の上側に5〜7㎝程度の切開を加えます。さらに奥深くまで進み筋肉・筋膜の層を露出させます。
そうして次は皮膚と筋肉・筋膜の剥離です。
剥離というのは皮膚を剥がすことで、こめかみリフトはこの剥離のレイヤー(層)が非常に大切です。
剥離した層にムラがあると凹凸ができてしまうリスクがありますし、しっかりと固定できない場合がありますので、医師は繊細にかつ丁寧に処理します。
剥離が完了したらリフトアップです。まずは筋肉・筋膜に糸をかけて縫い縮めるように縫縮して弛んでしまった筋肉を引き締めます。
さらに皮膚を引き上げて仮固定し余分な皮膚をトリミングして切除します。
最後に傷を縫合してこめかみリフトを終了します。
こめかみリフトの麻酔
こめかみリフトの標準的な麻酔は局所麻酔です。処理する範囲全体に注射で麻酔薬を浸透させて手術中の痛みを止めて治療します。
この時の麻酔の注射は痛みます。そのため痛みに対し不安な方、麻酔の痛みを少しでも抑えたいという方は、吸入麻酔や静脈麻酔で麻酔の痛みを緩和することもできますし、痛みを完全に止めたいという方は、全身麻酔(ラリンゲルマスクを含む)によるこめかみリフトであれば麻酔の注射の痛みも完全に止めて治療することもできます。
手術のポイント
こめかみリフトは筋肉・筋膜の短縮する方向、短縮する量で仕上がりの満足度であったり、不自然な状態になってしまうなどのトラブルを引き起こしやすくなります。そのためどのような手法で短縮するのかということを確認しておきましょう。中には皮膚しか処理しないというクリニックもあるので要注意!
こめかみリフトの費用
PRICE
こめかみリフトの手術にかかる費用の相場についてご紹介します。
私たちが調査したところ、こめかみリフトの手術にかかる費用の相場はおおよそ50〜80万円程度です。
こめかみリフトの費用の相場:50〜80万円程度
手術を受ける施設や治療内容によっては20万円前後で受けられるクリニックもあれば、80万円以上の費用がかかる手術もあり、こめかみリフトの手術でかかる費用にはかなりのばらつきがあります。
費用が安く設定されているこめかみリフト手術はその理由が明確にはされていませんが、手術時間のかかるこめかみリフトが低価格で受けることができるというのは現実的には難しいでしょう。可能性として考えられるのは、低価格に見せかけて麻酔費用や個人差を指摘され高額提示をしてくるということが十分想定されますので注意が必要です。
こめかみリフトは病気の治療ではありませんので公的な負担などはないです。経済的に大きな負担となりますが、手術を受けるクリニックによってはモニター制度などを設けているところもありますので、そのような制度を利用することで安価に、お得にこめかみリフトを受けることができますので確認してみては。
これらの制度を活用すれば数十万円の割引が行われることも多いので、こめかみリフトの手術を検討中の方は是非ご活用下さい。
治療のリスク・副作用
SIDE EFFECTS
こめかみリフトは外科手術という性質上、術後の腫れや痛み、内出血などはほとんどの方に起こる問題です。しかし、後々まで残ってしまう障害となるようなことではありません。
また、こめかみリフトは目の周囲の皮膚まで剥がして引き上げる治療ですので、周辺の神経組織を傷つけてしまうことも否定はできません。術後に感覚が鈍くなったり、軽い麻痺(不全麻痺)も数%の確率で起こる可能性があります。そのような症状というのは、どんなに経験豊富な技術の高い医師が気をつけて行っても起きてしまうものです。
以下はこめかみリフトの術後に想定される治療のリスク、副作用です。これだけの問題があるからといってこめかみリフトが直ちに危険な手術ということではありません。なぜならそれらの症状は時間の経過とともに完全に回復します。
こめかみリフト 術後のリスク
- 感染(化膿する)
- 糸の露出
- 血腫
- 皮膚の壊死
- しわが残る
- たるみが残る
- 左右差
- 引き上げすぎ
- 傷が赤く盛り上がる(ケロイド状)
- 傷口が目立つ
- 毛が抜けて部分ハゲになる
- 顔面神経麻痺(こめかみ周辺の麻痺)
- こめかみのしびれ・知覚鈍麻
- 目元の印象が変わる
- 傷の段差・凹み
- 皮膚の表面の凹凸
最後に傷跡については医者の切開するデザインの技術も影響しますが、同じように個人差・体質も影響しやすいものです。傷は消えることはありませんが目立ちにくくすることはできます。大切なのはクリニック選び、医師選びです。経験豊富な安心の名医であれば安心して任せることができるということは忘れないで下さい。
クリニック選びのポイント
CLINIC CHOICE

こめかみリフトの手術で満足できるかどうかは、手術を受ける美容クリニックの対応、医師の技術で決まります。やはり大切なのはクリニック選び。こめかみリフトで失敗しないためのクリニック選びのポイントをご紹介します。
- 院内は清潔か?
- カウンセリングは医師が行うか?
- 複数のタイプのフェイスリフトを行っているか?
- 筋膜の処理はどのように行っているか?その方法も確認
- 手術料金は適正か?(目安としては50〜80万円)
- 術前検査をしっかりと行っているか?
- アフターケアの内容は充実しているか?
- 全身麻酔で手術を受けることができるか?
上記のポイントは電話やカウンセリングで簡単に確認することができます。例えば、院内が清潔かどうかは手術室の管理に直結すると考えて良いだろう。院内の清潔が保たれないクリニックの手術室は衛生環境も疑わしいもの。こめかみリフトは皮膚を広範囲に切開・剥離することから感染のリスクが高い治療の一つです。院内の清潔すら保てないクリニックは感染のリスクが高くなるものです。
また、麻酔の方法も確認しましょう。全身麻酔による手術が受けることができるか否かをチェックしましょう。このチェックポイントはこめかみリフトを全身麻酔で受けることを勧めるのではありません。そのクリニックに全身麻酔を実施できる設備が整っているかということが大切なんです。
さまざまなご質問
Q&A
こめかみリフトに関するさまざまな疑問や質問にお答えします。
- 目尻部分のたるみってまぶたのたるみ取りと何が違うんですか?
- まぶたのたるみを直接的に取る方法というのは、眉の直下を切開して余分な皮膚を取り除く方法(眉毛下切開)と、二重まぶたのライン上を切開して余分な皮膚を取り除く方法(上眼瞼切開)の2つの術式があります。
いずれもまぶたの皮膚を取る方法で、こめかみリフトというのは、まぶたではなく、目尻からこめかみにかけての皮膚のたるみを引き上げる方法ですので根本的に違います。
まぶたの目尻のまぶたのたるみが気になるのであれば、こめかみリフトではなく、眉毛下切開が望ましいでしょう。
- 傷跡が心配です。目立ちやすいんですか?
- こめかみリフトの傷跡は、耳の上の頭皮内を切開しますので、傷跡が目立ってしまうことはありません。ただし、状態によってはもみあげ部分の生え際を切開する場合もあります。その場合、傷跡は残りますが目立つことは無いでしょう。
- こめかみの凹みがあります。こめかみリフトで治せますか?
- こめかみリフトは凹みの治療ではありません。確かに皮膚を引き上げることで凹みまで改善する印象を持たれるかもしれませんが、こめかみの凹みというのは骨の陥没によるものです。そのためこめかみリフトではなく、プロテーゼ(人工軟骨)を使って凹みを治すことが適切な治療法です。こめかみプロテーゼはこめかみリフトと同時に治療することは可能です。
また、シリコンを使った治療が嫌という方はヒアルロン酸注入でもこめかみの凹みを解消させることができます。
- 術後の通院について教えて下さい。
- こめかみリフトの術後の通院ですが、基本的には7〜10日後の抜糸(頭皮内縫合の場合、クリップで固定する場合あり)、1ヶ月後の経過観察、3〜6ヶ月後の最終チェックの合計3回というのが一般的です。
術後の通院はクリニックによっても違い、翌日検診(血腫の確認等)を推奨している美容外科もあります。カウンセリング時に確認しておきましょう。